最終確認:2026年9月2日
押す、穴を開ける、分解する、再充電して様子を見る行為は危険です。煙や火が出ている場合は無理に触らず離れ、安全を確保して119番へ連絡してください。
モバイルバッテリーを見たらケースが膨らんでいた。充電中に持てないほど熱くなった。捨てたいのに、家電量販店の回収ボックスへ持って行ってよいのか分からない。
こうした状態では、「まだ充電できるから使える」と判断しないことが最優先です。膨張は内部でガスが発生している劣化症状の一つで、強い力や追加の充電が加わると発煙・発火につながるおそれがあります。
この記事では、膨らんだ・熱いモバイルバッテリーを見つけた直後の対処、捨て方、回収先、JBRCの回収ボックスへ出せないケース、安全な買い替え方まで順番に解説します。
結論:膨らんだ・異常に熱いなら使わない
| 状態 | 判断 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 充電中に少し温かい | 直ちに故障とは限らない | 可燃物のない場所で様子を確認 |
| 以前より明らかに熱い | 異常の可能性 | 充電・使用を中止しケーブルを外す |
| 膨らみ・変形がある | 使用不可 | 押さず、分解せず、メーカー等へ相談 |
| 焦げた臭い・異音・煙 | 緊急性が高い | 近づかず安全確保。必要なら119番 |
| 落下・水濡れ後に異常 | 内部損傷のおそれ | 通電せず、メーカーや自治体へ相談 |
充電時に多少温かくなることはありますが、温度だけを手で正確に判定するのは困難です。「以前と違う」「持ち続けられないほど熱い」「膨らんできた」などの変化を基準にし、迷ったら使用を止めてください。
ニャビ
まさき
モバイルバッテリーが膨らむ原因
モバイルバッテリーに使われるリチウムイオン電池は、劣化や内部異常によってガスが発生し、外装が膨らむことがあります。消費者庁は、膨張を電池材料の劣化が進んだバッテリーで見られる症状の一つと説明しています。
- 長期間の使用による劣化
- 高温の車内や直射日光下での保管
- 落下、圧迫、強い衝撃
- 水濡れや端子の損傷
- 充電中に熱がこもる使い方
- 製品の不具合やリコール対象
膨らんだ本体を押して元へ戻すことはできません。内部へさらに力を加えるため危険です。また、真夏の車内、布団・ソファの上、密閉したバッグの中での充電や保管も避けます。
見つけた直後にやること
- 充電と使用を中止する
- 安全に外せるならケーブルを抜く
- 押す・曲げる・穴を開ける・分解する操作をしない
- 子どもやペット、紙・布・カーテンなどの可燃物から離す
- 製品名・型番・購入店を確認し、リコール対象か調べる
- メーカー、販売店、自治体の清掃担当へ回収方法を確認する
すでに熱を持っている、膨張が進んでいる、異臭や音がする場合は、無理に持ち運ばないでください。持ち込み先へ向かう前に、必ず受け入れ可能か電話や公式サイトで確認します。
やってはいけないこと
- 残量をゼロにするため、膨らんだ製品を使い切る
- 安全確認のため、もう一度充電する
- 針やドライバーで穴を開けてガスを抜く
- 重い物を載せる、テープで強く締め付ける
- 一般ごみ・不燃ごみへ自己判断で混ぜる
- 回収できるか確認せず、店頭の回収ボックスへ入れる
- 水や冷凍庫で冷やして保管する
膨らんだモバイルバッテリーの捨て方
処分ルールは自治体や製品の状態によって違います。全国一律に「このごみの日へ出せばよい」とは言えません。次の順で確認すると迷いにくくなります。
1.メーカー・販売店へ相談する
製品本体や購入履歴からメーカーと型番を確認します。メーカーが自主回収や交換を案内している場合があるため、リコール情報も確認してください。購入店が回収窓口を案内している場合もあります。
消費者庁「リコール情報サイト」では、製品名や事業者名から検索できます。
2.自治体のルールを確認する
自治体の公式サイトで「モバイルバッテリー」「リチウムイオン電池」「小型充電式電池」を検索し、膨張品の扱いまで確認します。通常品と膨張・破損品で窓口が違う場合があります。
公式ページで判断できない場合は、市区町村の清掃・資源循環・廃棄物担当へ「膨張したモバイルバッテリー」と状態を伝えて問い合わせてください。
3.JBRCの回収対象か確認する
JBRCには協力店・協力自治体の検索ページがあります。ただし、膨張・破損・水濡れした電池はJBRCの回収対象外です。通常状態の対象電池であっても、JBRC会員企業製などの条件があります。
JBRC「協力店・協力自治体検索」を利用する場合も、膨張品を回収ボックスへ直接入れず、スタッフへ状態を伝えてください。
「家電量販店に回収箱がある=膨らんだ物も入れてよい」ではありません。膨張品はメーカーまたは自治体へ相談してください。
煙や火が出た場合はどうする?
発煙・発火している場合は、製品より人の安全を優先します。近くの人へ知らせ、無理に手で持たず、安全な場所へ離れて119番へ連絡してください。
消費者庁は、発火時にはまず安全を確保し、可能であれば大量の水で消火するよう案内しています。ただし、火が大きい、煙が充満している、安全に近づけない状況では自分で消火しようとせず避難します。やけどをした場合は流水で冷やし、必要に応じて医療機関へ相談してください。
買い替えるモバイルバッテリーの選び方
処分の見通しが立ってから、必要なら新しい製品を用意します。災害対策用でも「大容量なら何でもよい」ではなく、販売者と安全情報を確認しやすい製品を選びます。
- PSEマークと届出事業者名を確認する
- メーカー・輸入事業者・問い合わせ先が明確な製品を選ぶ
- リコール情報を確認できる型番の製品を選ぶ
- 保証期間と購入履歴を残す
- スマホに合うUSB-C・Lightning端子と出力を確認する
- 持ち歩きなら重さ、災害用なら容量と複数ポートも確認する
- 極端に安く、容量や事業者表示が不明な製品は避ける
経済産業省も、モバイルバッテリー等を購入するときはPSEマークを確認し、使用中の製品がリコール対象になっていないか定期的に確認するよう案内しています。
停電への備えはバッテリー1台だけでなく、乾電池式充電器やラジオも組み合わせると安心です。詳しくは停電でスマホを充電できないときの備えでまとめています。
よくある質問
少し膨らんだだけなら使い切ってから捨ててもいい?
いいえ。膨張している製品を放電目的で使ったり、再充電したりしないでください。使用を中止し、メーカーまたは自治体へ相談します。
膨らんだモバイルバッテリーを家電量販店へ持って行けばいい?
店舗や回収制度によって異なります。JBRCでは膨張・破損・水濡れ品を回収対象外としています。店舗へ持ち込む前に、膨張品を受け入れられるか確認してください。
端子へテープを貼れば一般ごみに出せる?
テープによる絶縁が求められることはありますが、それだけで一般ごみに出せるとは限りません。自治体の分別ルールと、膨張品の専用案内に従ってください。
PSEマークがあれば絶対に発火しない?
いいえ。PSEは国内販売時に確認すべき重要な表示ですが、事故が絶対に起きない保証ではありません。衝撃・高温・水濡れを避け、異常があれば使用を中止し、リコール情報も確認します。
まとめ
- 膨張・異常発熱・異臭・煙があれば使用と充電を中止する
- 押す、穴を開ける、分解する、再充電する行為はしない
- 膨張品はJBRCの通常回収対象外なので、メーカーか自治体へ相談する
- 煙や火が出ている場合は安全を確保し、必要なら119番へ連絡する
- 買い替え時はPSE、事業者情報、保証、リコール情報を確認する
処分方法が分からないときは、一般ごみへ混ぜず、「膨張したモバイルバッテリー」と状態を伝えて相談するのが最短です。
