新しいiPhoneへ機種変更するとき、「eSIMも古いiPhoneからそのまま移せるの?」と迷う方は多いと思います。
結論からいうと、契約している通信会社がeSIMクイック転送に対応していれば、通信会社のWebサイトで再発行を申し込んだり、QRコードを読み込んだりせず、iPhoneの設定画面から電話番号を移せます。
大手4社だけでなく、povo、LINEMO、UQ mobile、ワイモバイル、BIGLOBEモバイル、J:COM MOBILEなども対応しています。一方、mineoのように通信会社側でeSIMの再発行手続きが必要なサービスもあります。
この記事では、2026年8月16日時点の公式情報をもとに、対応回線、基本的な転送手順、povoとmineoで注意したい点をまとめます。
eSIMクイック転送とは
eSIMクイック転送は、これまで使っていたiPhoneの電話番号・回線情報を、新しいiPhoneへ移す機能です。対応している通信会社なら、基本的に次のような作業が不要になります。
- 通信会社のマイページからeSIMを再発行する
- 本人確認をやり直す
- QRコードを別の画面へ表示して読み取る
なお、iPhoneの写真やアプリを移す「クイックスタート」と、電話回線を移す「eSIMクイック転送」は別の機能です。機種変更では、データ移行と回線移行の両方が完了しているか確認してください。
日本でeSIMクイック転送に対応している通信会社
Appleが公開している日本の対応通信事業者は、次のとおりです。
| 区分 | 対応する通信会社・サービス | 補足 |
|---|---|---|
| 大手キャリア | NTTドコモ、au、SoftBank、楽天モバイル | 各社の対応機種・OS条件を確認 |
| オンライン・サブブランド | ahamo、povo2.0、LINEMO、UQ mobile、ワイモバイル | ahamoは公式FAQで対応を案内 |
| そのほか | BIGLOBEモバイル、J:COM MOBILE | 契約タイプなどに条件あり |
「格安SIMはすべてクイック転送非対応」というわけではありません。povo、LINEMO、UQ mobile、ワイモバイルに加え、BIGLOBEモバイルとJ:COM MOBILEもAppleの対応一覧に掲載されています。
ただし、同じ通信会社でも契約種別によって対象外になる場合があります。たとえばBIGLOBEモバイルはタイプAのiPhoneが対象で、タイプDや法人会員、シェアSIMは対象外です。
iPhone同士でeSIMを転送する基本手順
画面の表記はiOSや通信会社によって多少異なりますが、基本的な流れは次のとおりです。
- 古いiPhoneと新しいiPhoneを最新のiOSへ更新する
- 両方のiPhoneでBluetoothをオンにし、同じApple Accountへサインインする
- 新しいiPhoneで「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」を開く
- 「近くのiPhoneから転送」または「別のiPhoneから転送」を選ぶ
- 古いiPhoneに表示された案内を確認し、転送を許可する
- 新しいiPhoneで回線が有効になったら、通話とモバイル通信を確認する
Appleの現行案内では、両方の端末を近くに置き、Bluetooth、パスコード、Apple Accountを準備するよう案内されています。必要なiOSのバージョンは通信会社によって異なるため、迷った場合は両方のiPhoneを最新状態にしてから作業するのが安全です。
povo2.0はiPhone同士のeSIMクイック転送に対応
povo2.0の通話+データプランは、iPhone・iPadのeSIMクイック転送に対応しています。eKYCによる本人確認やQRコードの読み取りを行わず、端末の設定画面から移行できます。
- iOS 16以上に対応
- BluetoothまたはiCloudを利用して転送
- 受付時間は7:00~23:50、1:00~2:50
- 物理SIMから新しいiPhoneのeSIMへ移すことも可能
- povo2.0のデータ専用プランは対象外
筆者は2024年にpovo2.0をeSIMで新規契約し、申請から開通まで数時間で完了しました。SIMカードの到着を待たずに使い始められる点は、eSIMの大きなメリットです。
ただし、「新しくpovoを契約してeSIMを発行すること」と「利用中のpovo回線を新しいiPhoneへクイック転送すること」は別の手続きです。新規契約ではpovo2.0アプリから申込みと本人確認を行います。
mineoはクイック転送ではなくeSIM再発行が必要
2026年8月16日時点で、mineoはAppleのeSIMクイック転送対応事業者一覧に掲載されていません。mineoのeSIMを別のiPhoneへ移す場合は、mineoマイページから「SIMカード(eSIM)変更・再発行」の手続きが必要です。
- eSIMを利用できるのはAプラン・Dプラン
- SプランはeSIM非対応
- 機種変更・初期化・プロファイル削除時は再発行が必要
- 2026年9月30日申込み分まではeSIMプロファイル発行料440円
- 2026年10月1日以降の申込み分から発行料0円
以前は、iPhoneを機種変更するたびに440円かかる点がmineoのeSIMの弱点でした。2026年10月から無料になるため費用面の不便は解消されますが、クイック転送ではないため、利用者自身による再発行手続きは引き続き必要です。
クイック転送に対応していない場合の流れ
「近くのiPhoneから転送」が表示されない場合や、契約中の回線が対象外の場合は、次の流れで移行します。
- 通信会社のアプリまたはマイページへログインする
- eSIMの変更・再発行を申し込む
- 新しいiPhoneでQRコード、アプリ、アクティベーション情報などを使ってeSIMを設定する
- 回線切替後に通話とモバイル通信を確認する
再発行が完了する前に古いiPhoneを初期化したり、eSIMプロファイルを削除したりすると、SMS認証や設定確認ができなくなる場合があります。新しいiPhoneで通信できることを確認するまで、古いiPhoneは消去しないでください。
eSIMクイック転送で失敗しやすいポイント
- 古いiPhoneを先に初期化してしまった
- Bluetoothがオフになっている
- 古いiPhoneにパスコードを設定していない
- 両方のiPhoneで使用しているApple Accountが異なる
- 通信会社が定めるiOS・機種・受付時間の条件を満たしていない
- 法人契約、データ専用、シェアSIMなど対象外の契約だった
転送後は、Wi-FiをオフにしてWebページが開けるか、電話を発信できるかを確認しましょう。デュアルSIMの場合は、モバイルデータ通信・音声通話・SMSで使用する回線の指定も確認してください。
キャリア別|eSIM移行方法と注意点
ここからは、2026年8月16日時点の各社公式情報をもとに、主要な通信会社ごとの違いを詳しく見ていきます。会社名が対応一覧にあっても、法人・データ専用・シェア回線などは対象外になる場合があります。
ドコモ・ahamo
ドコモは、対応するiPhoneなら端末の設定からeSIMを再発行でき、申込み手続きは不要です。ドコモ公式では新旧両方のiPhoneをiOS 16.4以上へ更新するよう案内しています。ahamoも公式FAQでeSIMクイック転送に対応しています。
- 新旧iPhoneのBluetoothをオンにする
- 新iPhoneの「設定」→「モバイル通信」から転送
- 旧iPhoneで転送を承認
- 完了後に発着信とモバイル通信を確認
物理SIMのまま使いたい人が初期設定中にeSIM転送すると、元のSIMカードが無効になります。物理SIMを継続する場合は「モバイル通信を設定」で「あとで“設定”でセットアップ」を選びます。
ドコモ公式:eSIMクイック転送 / ahamo公式:クイック転送
au・UQ mobile
auとUQ mobileは、iPhoneの設定からのeSIM転送と、My au・My UQ mobileからの再発行に対応しています。Webでの再発行・転送は無料ですが、店舗手続きは手数料がかかります。
転送先iPhoneがiOS 26以降で、4Gから5G SAなど回線種別も変わる場合、クイックスタート中に転送できないことがあります。その場合は、先に新iPhoneの初期設定を完了し、その後「設定」→「モバイル通信」からeSIMを転送します。
SoftBank・ワイモバイル・LINEMO
SoftBank、ワイモバイル、LINEMOはeSIMクイック転送に対応しています。eSIMからeSIMへの転送に加え、利用中のUSIMカードから新iPhoneのeSIMへ変更する手続きも対象です。公式発表時点では新旧両方のiPhoneにiOS 17以降が必要とされています。
楽天モバイル
楽天モバイルはクイックスタート中のeSIMクイック転送に対応しています。利用中の物理SIMは、eSIMへ変換したうえで新iPhoneへ移すこともできます。
- 旧iPhoneでWi-Fi・Bluetooth・パスコード・2ファクタ認証を確認
- クイックスタート中に「別のiPhoneからの転送」→「番号を転送」
- 旧iPhoneのサイドボタンをダブルクリックして承認
- 完了前にeSIMプロファイルを削除しない
eSIM移行後に必ず確認すること
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 音声通話 | 任意の番号へ発信 |
| SMS | 認証SMSなどを受信 |
| モバイル通信 | Wi-FiをオフにしてWebを開く |
| デュアルSIM | 主回線・副回線とデフォルト音声回線を確認 |
| キャリアメール | 送受信と必要な再設定を確認 |
新しいiPhoneで通信できることを確認する前に、旧iPhoneを初期化したりeSIMを削除したりしないでください。
iPhoneデータ移行の記事を順番に確認
まとめ
iPhoneのeSIMクイック転送は、大手キャリアだけの機能ではありません。povo、ahamo、LINEMO、UQ mobile、ワイモバイルなどでも利用でき、BIGLOBEモバイルやJ:COM MOBILEもAppleの対応一覧に掲載されています。
一方、mineoはマイページからeSIMを再発行する方式です。2026年10月1日から発行料は無料になりますが、機種変更時の手続き自体は必要です。
機種変更前に契約中の通信会社がクイック転送へ対応しているか確認し、新しいiPhoneで通信できるまで古いiPhoneを初期化しないことが、一番大切なポイントです。
4Gガラホでpovoを使う場合は、auの4Gガラホ+povoとドコモの4Gガラホ+日本通信SIMを比較した記事もご覧ください。

